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『掛軸の修理・修復(湛海 不動明王図)③』

前回のブログで本紙に直接行われていた折れ切れの修復に伴う折れ当てを全て剥がし取る事を断念し最初の裏打ちを行いましたが取り切れなかった前回の修復跡の部分から糊浮きがおこりました。
経験上ある程度は想定できましたが本紙の状態を考慮して無理をしなかったのですが
、糊浮きの部分に糊を差して進めるか、やり直すかの選択に迫られました。
現時点で糊浮きが発生しその箇所の対策をしたとしても現在糊浮きが発生していない箇所もいずれ問題が発生する可能性が高いため将来に「責任を持つ」と言う観点から
苦労して最初の裏打ちまでこぎつけましたがやり直しをする事といたしました。
下記の写真は糊浮きの部分です。

糊浮きの部分

再度裏打ち紙を剥がし取り下から光を当て過去の修復を取り除く作業に入ります。
白く見える線は本紙が切れている所、黒く見える線は過去の修復跡です。



ようやく過去の修復跡を全て剥がし終わり、古色に染めた和紙で最初の裏打ちを行いました。
染め紙を使用することで傷みの箇所を目立たなくさせます。
写真は本紙の表を保護するために使用した特殊な保護紙を剥がしている所です。