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『涅槃図 掛軸の修理・修復 ②群馬表装保存修復組合 事業』

一度仕立ててある掛軸の修理や修復をする場合は画かれた状態まで戻す事が前提となります。古い裏打ち紙を残した状態では適切な作業が出来ないからです。掛軸にたっぷり滴るほどの水分を加えて糊を柔らかくして慎重に裏打ち紙を剥がしていきます。この作業の詳しいところは後日とさせて頂き、ご説明の通り大量の水分を加えるため絵の具が剥落しないように天然の膠(三千本膠)煮溶かし、微量のミョウバンを加えてドウサ溶液を作り絵を描くように色止め作業を行います。

色止め作業
膠主体のドウサ溶液で絵の具の部分だけ塗る

絵の具によって粒子が粗い物もあり適切な濃度や2回塗りなどの対応を行います。    この作業から数週間自然乾燥して次の作業に入ります。