『涅槃図 掛軸の修理・修復 ① 群馬表装保存修復組合 事業』
群馬表装保存修復組合は群馬県立文書館の設立に伴い1982年に優れた県内の技術者によって組織されました。現在は数件により京都・東京にて表装・修復の知識と技術を学んだ職人、文化財保存修復学会正会員らによって、指定文化財から寺院の宝物の表装・修理・修復、また保存修復に関する講演会などの事業を行っています。

今回の涅槃図は約180年前の記述があり、それ以前に表装されたと思われます。痛みが目立ち十数年前に仏具屋さんを通じて修理・修復を行ったとの事でした。しかしながら今にも切れそうなほどの強い折れ、本紙の継ぎ手や部分的に糊浮きが生じ、欠損部分の未修理、将来折れが発生するであろうと思われる個所の未補強、大きい掛軸で傷みがあるにも関わらず負担の大きい細い軸棒など様々な問題点が御座いました。私共では本来100年前後は伝えられるような表装・修理・修復を行う事が我々職人の責任であると考えます。ご予算や、お客様に修理・修復の内容やメリット、デメリットをしっかり伝えて御理解、ご納得の上での表装・修理・修復が望ましいと考えます。今回、100年先の保存を考え使用材料や保存箱も適切な物に変え再修復する事となりました。その過程を順次アップ出来ればと思います。