『屛風の修理・修復③』
《膠による色止め》
本格的な修復に入る前に劣化した絵具の剥離止めを行います。
絵師は絵具をとく時、膠の水溶液で指で時間をかけ練るようにときます。
墨は煙を膠で練り込み固形物にした物で、いずれも膠が接着剤の役割をはたしています。
その膠が経年劣化により効力が弱まると絵具の剥落が起きてきます。
特に白はいたぼ牡蠣の貝殻を原料として岩絵の具と同様に粒子が粗く剥落しやすいとされています。
下記の写真は三千本膠と呼ばれ一般的に使用されています。
膠は獣や魚の皮や骨などのタンパク質を煮て取り出したゼラチンを固めた物です。

この膠を当店では一晩水でふやかし鍋で煮て完全に溶かします。
それをこして不純物を取り除き絵を描くように塗っていきます。
薄すぎず濃すぎずが長年の経験となります。
冬場の温度が低い時は数分で膠の水溶液が固まり始めます。
そのため固まらないように湯煎しながら作業を進めます。


膠を塗ってから最低でも1週間から10日乾燥させ次の作業に入ります。