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『掛軸の修理・表装(茶掛け②)』

遠州流8世小堀宗中(書)の表装に使用する一文字と風袋は竹屋町金襴を使用する事になりました。竹屋町金襴とは京都の竹屋町で織製された事からその名がついたと聞いております。今回使用する竹屋町金襴は現在織られている物とは全く異なり古代裂の部類に入ります。紗の生地に金糸や色糸で一本一本、一柄一柄、手で刺繍を施したもので大変高価な品になります。同じ竹屋町金襴でも刺繍の密度、色刺繍があるかないかでも評価が異なります。今回使用する竹屋町金襴は全てにおいてクオリティーの高い品と言っても過言ではありません。

風袋

風袋は表を一文字と同じ裂地で裏を天地に使用する裂地を縫い合わせて作ります。しかしながら現在の職人さんの9割以上が糊で貼り合わせているようです。糊で貼り合わせると簡単に出来ますが風袋を折った時の遊びが無く、また柔らかく仕上がりません。当店では糸で縫い合わせて作ります。

今回使用の竹屋町金襴は掛軸の一文字、風袋として後数幅分しか残っていません。他にも少量ですが古代裂地が御座います。

正直言って大変高価であるため需要が御座いません。そのため拘り、興味のある方には出来るだけ費用を押さえて提供させて頂けたらと思っています。是非この機会に一度ご相談ください。