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『屛風の修理・修復⑤』

屏風の土台となる杉の組子が出来上がってきました。

外のかまちと中骨は厚みが異なります。
下張りの和紙を何重に貼ってもかまちは中側に斜めに削られています。赤い部分をご覧ください。この様に屏風の骨は工夫を凝らし加工が施されています。

この骨組みには鉄釘は使用していません。
正確な寸法にカンナで削るため竹釘を使用しています。

竹釘

最初の下張りは厚い楮繊維の手漉き和紙で「骨縛り」と呼ぶ下張りを行います。

骨に直接澱粉糊を刷毛で付けていきます。
和紙に鹿毛で出来ている「水刷毛」と呼ばれる刷毛で適度な水分を加えます。
全面両面に和紙を張りしっかり乾燥させます。水分が加わった和紙は乾くと和紙は縮み骨下地をしっかり絞めてくれます。これで1回目の下張りは終わりです。
今回は「骨縛り」「二重蓑掛け」「蓑縛り」「袋掛け」と下張りだけで和紙が五重になります。