店舗ブログ

『屛風の修理・修復⑨』

最後の下張り・本紙を貼る前の最後の下張りです。
「袋張り」「袋掛け」とも言います。
薄手の楮紙で紙の段差が出ないように「くいさき」と言う技法で紙の繊維を出し重ねる
事で紙の段差が出ないように1面に12枚を貼ります。

六曲に組まれた下地
袋掛け

いよいよ本紙を貼っていきます。
本紙裏に廻りに硬糊、中は水糊の塗り貼っていきます。

本紙を貼り終え画を囲むように裂地を貼っていきます。
今回はお客様がご来店頂いた時に数ある中から選んでいただきました。

裂地の反物から、文様を見ながら使用寸法にはさみを入れます。
裂取りをしたら刷毛でしっかり水を入れます。
水の入った裂地を完全に乾燥させてから裏打ちを行う。
裏打ちを行った裂地を寸法に裁ち貼っていきます。
表が貼り終わったら裏張りを行います。
昔から屏風の裏に良く貼られる「雀型」と言う紋様の鳥の子紙を貼ります。

次回が最後の投稿となり、縁を打ち、おぜを貼り、補彩、補紙として使用した本金箔に古色を付けて完成となります。